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こどもの孤立・酷暑・食の不安に 「じどうかんもあるよ」

全国に約4,300ある児童館は、0~18歳であれば誰でも、いつでも無料で利用できる場所です。専門資格を持った職員(児童厚生員)がおり、困った時には相談もできます。


そんな児童館から届けられているメッセージが、「じどうかんもあるよ」です。これは、夏休みなどの長期休暇明け、心にしんどさを抱えるこどもたちに「児童館」という学校でも、家でもない居場所の存在を伝えるものです。


今年は特に、物価高騰による生活環境の悪化や、給食休止に伴う栄養のある食事を十分に確保できないこどもの増加、酷暑による熱中症リスクが懸念されていたため、こども家庭庁も自治体へ夏休みの支援体制強化を促していました。


また、昨年より一週間早く「じどうかんもあるよ」の呼びかけの期間を設定し、夏休みが始まる前の7月17日(金)~9月16日(水)の間、各児童館で生きづらさを抱えるこどもに対してメッセージを各児童館から発信しました。今回は、その事例を紹介します。



中・高校生世代の居場所づくり(東京)


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東京都江東区の亀戸児童館では、日曜日以外は毎日19時まで開館しており、毎週水曜日には無料でドリンクを提供したり、夏休み中はお祭りや花火のイベントも予定しています。


江東区では区内の17カ所の児童館で中・高校生世代が過ごしやすい環境を整えており、全館Wi-Fi完備で、17時以降は中・高校生優先の遊びやスペースもあります。


館長の穂積さんは、「Wi-Fi整備やモバイルバッテリーの用意など、どんなに環境を整えても、結局は日頃から職員がこどもとどう関わるか、同じ空間で過ごす時間をつくれるかが大事で、イベントもあくまできっかけづくりとして行っています。”人”を求めて来館してくれる子が多いように感じます」と職員の存在の大切さについて話してくれました。



不登校支援および中・高校生世代の居場所づくり(愛知)


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愛知県名古屋市の緑児童館では、館内に不登校の小中学生を対象とした専用の部屋を用意し、平日日中の新たな居場所として活用しています。部屋では自由に過ごすことができ、常駐する専門職員が見守り、相談対応もします。今年度からは名古屋市のモデル事業として、市内4カ所の児童館で実施されています。

館長の伊藤さんは、「始めの頃は、朝の会や帰りの会、学習や調理の機会を意図的に設けていましたが、そこに居心地の悪さを感じたのか来られなくなる子もいて。最近では、こどもたちが自由に過ごせるようにし、ニーズに合わせて内容を考えるようになると、来てくれる子も増えるようになりました」と話しました。

また、中・高校生世代の居場所づくりとして、毎週木・金・土曜日には20時まで延長開館しています。活発に運動をしたりおしゃべりをしたり、楽器演奏や料理をするなど、交流が図られています。

対象者や時間帯は違えど、いつも「安心できる」場づくりを心掛けています。



中・高校生世代の食堂(宮城)


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宮城県仙台市の八本松児童館では、今年度から新たに、こども食堂ならぬ「中高生世代食堂」をスタートしました。友達や児童館職員とおにぎりを楽しく食べられ、リラックスできる居場所を目指しています。


毎週火・木曜日と月1回土曜日の17~19時までは中・高校生世代だけが利用可能で、訪れたこどもたちは今日あったできごとや部活や勉強のことを話したり、バドミントンや卓球・ダーツをしたり、思い思いに過ごしています。


館長の松浦さんは、「こどもにとっては、学校と家や塾の合間のつなぎになっているようで、児童館が”止まり木”のような存在になっています。特に中・高校生世代だけ利用できる時間は、いつもいる小学生がいないので、昔遊んだおもちゃを懐かしんだり、自分たちだけの特別な空間に感じているようです」と温かな環境づくりについて話してくれました。



こどもへの食事提供(沖縄)


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沖縄県浦添市の森の子児童センターでは、通常の開館時間は10時~18時ですが、毎週火曜・木曜日には中・高校生世代向けに18時~20時まで夜間開放を実施しており、この時間におにぎりなど軽食を提供しています。「今日は何のおにぎり?」と楽しみに訪れるこどももいます。


夏休みなど長期休みには週に3回、年齢問わず昼食の提供を地域ボランティアの方々に協力いただきながら実施しています。


館長の宮平さんは、「おにぎりの具は、時には焼き肉やハンバーグなど、物資提供を受けた食材の中から選んでいます。おにぎりは、例えば塩にぎりが好きな子にも柔軟に好みを合わせることができます」と、こどもたちが居心地良いように工夫していました。



こどもたちの手描きポスター(徳島)


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徳島県吉野川市の鴨島児童館では、こどもたち108人がポスターに「じどうかんもあるよ」について温かいイラストを描きました。児童館だけでなく交流のある学童クラブのこどもたちも参加してくれました。


鴨島児童館職員の木村さんによると、このポスター制作を呼びかける際、「もうすぐ学校が始まるけど、(夏休みが楽しいから) あんまり行きたくないなあ」という子も多かったといいます。でも「中には絶対行けない子もいるから、そんなしんどい子を想ってみて絵を描いてみて。もしかしたらお友だちの中にもいるかもよ」と声を掛けました。


中には「自殺」という言葉を理解できない年齢の子もいましたが、木村さんは「自分から命を絶ってはいけないよ、自分を傷つけるのはいけないこと」と正直に話しました。「こんな絵を描いてね」とはあえて言いませんでしたが、こどもたち一人ひとりが自分なりに考え笑顔の絵を描きました。


こどもたちがそれぞれ一枚ずつの紙で描いた108枚の絵は、児童館に絵画を教えに来てくれていたデザイナーさんが一つのポスターに仕上げてくれ、児童館だけではなく、吉野川市役所、近隣の小中学校・高校などにも貼り出されました。


鴨島児童館では、呼びかけだけでなく、毎月一回思春期のこどもの保護者との話し合いの場も設け、そこには保護者だけでなく学校に行けていない子本人も参加したり、かつて不登校だったが成人になった子が親子の間に入ってくれたりと、どの世代も来られる機会を設けています。


木村さんは「どんなときも、しんどい想いを吐き出してくれたらいい。ここに来たら誰かに相談できる、話ができると思ってほしい」と話します。


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本キャンペーンを通して、児童館は、さまざまな状況に置かれたこども一人ひとりの声にならない声、声に出さない思いや意見に耳を傾け、心を寄せてこどもが安心できる居場所であり続けることを社会に発信するとともに、全国の機運を高めることができました。


今後も児童館は、こどもの声を聞きながらこども主体の居場所としての活動を続けて参ります。


ぜひお近くの児童館に足を運んでみてください。児童館の場所は、「児童館を探す」から検索いただけます。

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