home

地域交流の輪を広げる ー乳幼児と高校生のふれあい交流会ー

川崎市 新城こども文化センター
館長 小牧 輝代子

1.はじめに

 私は、ふれあい交流会が全国の児童館や保育園、保健所で実施されていることを、全国児童館館長研修で知りました。児童虐待が社会問題になっていますし、こども文化センターでは、中学生高校生の利用促進が課題となっていましたので、取り組んでみたいと思ったのが始まりでした。
 昨年「乳幼児と高校生のふれあい交流会」を実施し、運営スタッフと反省をする中で、「高校を見学したい。」「地域の子育てサロンはどんな風に実施されているのかをもっと知りたい。」という意見が出てきました。
 そこでもっと地域に自分たちから出ていこう。ということになり、今年は高校見学と子育てサロン訪問を実施することにしました。「子育てサロン」というのは、0歳?3歳くらいの乳幼児の親子のつどいの場、いこいの場のことです。

2.乳幼児と高校生のふれあい交流会

 事業内容は次のとおりです。
日  時
平成25年11月1日(金)
13時30分-14時30分
参加者
乳幼児(概ね 0-3歳)親子20組、新城高校生徒15名
内  容
高校生とのふれあい、手遊び、情報交換、身体測定、育児相談など
目  的
①高校生自らが乳幼児に触れ、肌で感じることにより、命の大切さや子どもを育てる親の役割、家庭の大切さを考えてもらう機会とする。
②保護者が、高校生にわが子とのかかわりや子育てについて伝えることにより、わが子を見つめなおし、愛おしい気持ちを深める機会とする。
③地域ボランティア、学校、こども文化センタ―が連携することにより、新たな地域交流の輪を広げていく。
スタッフ
新城こども文化センターの職員と近隣のこども文化センター職員合わせて6名
新城高校教諭、保健師
地域ボランティア5名

3.関係機関との連携と役割

 新城こども文化センターには、長年赤ちゃん広場ほっとホットさんが、子育てサロンを実施していました。長年の実績と信頼のあるこの子育てサロンの雰囲気のままで、ここに高校生が遊びに来てくれるというスタイルで実施したいと思い、協力をお願いしました。
 また、新城こども文化センターの近くの新城高校から、授業の一環として、将来保育士や保健師を目指している家庭科の生徒さんたちが来て下さることになりました。
 次に、区役所の子育て支援室に相談に行き、各地区で民生委員さんが中心となって行っている子育てサロンの見学と広報のお願いをしました。サロンのような雰囲気でふれあい交流会を実施したいのですが、子育てサロンの様子を知らない職員も多いので是非にとお願いしました。

shinjo_01.jpg

4.サロン訪問の様子

 地域で活躍する民生委員さんやボランティアさんに、ふれあい交流会の内容を説明させていたたぎました。交流会開催を知り、あることは知っているけれど、何をやっているのかあまりわからなかったこども文化センターに興味をもっていただいたようでした。
 一つのサロンでは、駅に近く、会場が広いため、70組くらいの乳幼児親子が参加していました。近くの都市開発で子どもが増えており、電車に乗ってでもお友達づくりにお母さんは一生懸命だという様子を教えていただきました。それから、宣伝タイムをいただいて、お母さん方にふれあい交流会のお知らせをし、当日協力して下さる方を募集しました。

5.高校見学の様子

 高校の家庭科の先生と何度か打ち合わせを行い、今年は、事前学習の様子を見学させていただけることになりました。「赤ちゃんの抱き方と遊びとは」という授業を、こども文化センターの職員も一緒に受けさせていただき、高校生になった気持ちで勉強してきました。講義の他に、ペープサートの実演や手遊びも楽しみました。授業参観に高校の校長先生、副校長先生、教頭先生もいらっしゃっていて、事業連携のお礼を伝えることができました。

shinjo_02.jpg

6.ふれあい交流会の様子

和気あいあいとした雰囲気の中、あっという間に一時間が過ぎました。  「さあ、交流して下さい。」と言ってもどう話かけていいのか分からないもので、高校生をうまくサポートしていくのが、私たちの役目なのですが、そこはやはりベテランのボランティアさんの真似をして、「もう抱っこさせてもらった。お母さんいいですか?。」と間を取り持っていきます。「よくおっぱい飲んでくれますか。」と質問していくといろいろとお母さんは話してくれました。
 今年は、積極的な方が多くて、ほとんどの高校生が赤ちゃんを抱っこさせてもらっていました。事前学習で私たち職員との顔合わせが功を奏し、とてもスムーズに高校生、親子、運営スタッフとの関係作りができたからだと思います。

shinjo_03.jpg
shinjo_04.jpg

7.高校生の声 保護者の声

 交流会後のアンケートをご紹介します。
 高校生からは、「お母さんの生の声が聞けたことが良かった。」という意見が多くありました。「赤ちゃんは私が思っていたいじょうにやわらかく、可愛くて産むことや育てることが大変だとしても、授かりたいなあと思ってしまいました。」「お母さん一人一人がお子さんのことを大事にしっかり育てられているのを知り、自分の親もそうだったんだろうなあと思い、親への恩を改めて感じることができました。」お母さんからは、「普段ふれあう機会のない高校生がとても新鮮だった。」「子どもにも私たちにもとてもよい体験になりました。また、参加したいです。」「楽しかったです。」というお答えが多くありました。

8.関係機関の反応

 次のようなご意見や感想が寄せられました。
ボランティアさん
「高校生がうまく溶け込んで、遊ぶのが上手でびっくりしました。」
「高校生だけでなく、中学生との交流もやってはどうですか。」
保健師さん
「高校生もお母さんも積極的に交流しようという姿で、中には母子手帳やアルバムをもってきて、成長を伝えているお母さんもいらっしゃいました。互いによい機会になったと思います。」 高校の先生
「若い母親から、未来の母親へとしっかりと受け継がれる何かが存在することを確信します。継続していくことは大変だと思うけれど、是非続けてほしいです。」
近隣のこども文化センターの職員
「大勢の参加がありよかったです。」
「子育てサロンを訪問して広報ができたし、イメージも膨らんで交流会での関わり方の参考になりました。」

9.まとめ

 ふれあい交流会では、自分が大切に育てられたことを高校生に実感してもらうことができました。保護者も子どもも楽しくて、よい経験ができました。職員は、ボランティアさんの上手な接し方や、今の育児の現状、母親の姿が実感できました。高校見学、サロン訪問では、実際に足を運ぶことで、私たち職員は、地域の様子を深く知ることができ、こども文化センターのことを、今まで以上に知っていただくことができました。区役所や地域の関係機関の協力を得ることができ、こども文化センターの存在を示すことができました。
 行事を終えて、高校生からも保護者からも、また参加をしたいというアンケート結果が多く得られました。ふれあい交流会は、地域の中の人と人を結びつけることができる素晴らしい事業であることを実感しました。

shinjo_05.jpg

施設基本情報

施設名  新城こども文化センター
施設種別  児童センター
運営形態  公設民営
運営団体名  公益財団法人、かわさき市民活動センター
所在地  神奈川県川崎市中原区下新城1-2-4
創設年  昭和55年
来館児童数  1日平均 約60名(平日)
スタッフ数  通通常 2名体制

新城こども文化センターの近くには小学校、中学校、高校と学校も多く、落ち着いた雰囲気です。中原区は、現在川崎市の中で子どもの数が一番増えており、乳幼児の利用が増えているため、利用しやすい環境作りや、楽しめる行事の企画に力を入れています。来館者には明るく元気に声をかけ、日頃からのコミュニケーションを大切にしています。

pagetop