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異年齢をつなぐ-班活動の取り組み-

広島県東広島市 郷田いきいきこどもクラブ
鍋原 千鶴

1.はじめに

 郷田いきいきこどもクラブは市の待機児童を出さないという方針により、定員45人の小学校敷地内のプレハブ専用施設で公設公営で運営しています。

 当クラブは56人が在籍しており(1年生20人、2年生18人、3年生17人、障がい児1人)子ども同士が"おしくらまんじゅう"状態の中で過ごしています。その為に下校時は「ただいま」と帰ってくるなり、「ちょっとどいて!」「ジャマ!」等、トラブルになる様な発言も多く、乱暴な言動の多い3年生は1,2年生にとって少し近寄りにくい存在になっていました。
 子どもたちは活動や遊びの中で同学年だけで過ごすことが多く、指導員が仲立ちとなり全体で遊んでいてもいつの間にか同学年同士でまとまってしまい、異年齢の関係が希薄になっていました。これは学年ごとに下校時間が違う事も一因だと考えられます。この事は、指導員間のミーティングでも議題となり、子どもたちの縦関係を築く事を援助していこうと2つの課題に取り組むことになりました。

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2.課題

(1)日常の生活や活動の中で積極的に異年齢の交流の場をつくっていく。
(2)3年生がクラブの中で責任を持ち行動できるようにし、乱暴な行動が少なくなるように援助する。

3.取り組み(1)

 クラブ内での異年齢の交流の場を作るため、大きな集団ではなく4?5人の小さな集団(班)をつくり3年生を班長とし班活動に取り組むことにしました。
 班決めは選挙のように3年生が自己PRし班員の1,2年生に選んでもらう形式にしようと指導員が提案しました。これは3年生に"この班のリーダーだ"と自覚をもってもらいたいとの願いからの提案でした。3年生はこの提案をすんなり受け入れ、どうPRしたら1、2年生に選んでもらえるか考えていました。指導員間では1つの班に班員が偏るのではと心配していましたが、3年生の「僕の班に来たら宿題を教えてあげます。」「私はやさしくします。」等、思い思いの気持ちをPRし、1つの班に偏ることもなく14の班が出来上がりました。
 この班決めは3年生の自信となり、"自分の班"という気持ちを持つことができました。

4.取り組み(2)

(班活動1)

 班活動の第一歩として、今まで人数が多く時間がかかっていたおやつ配りを班長の仕事として取り組みました。  おやつ専用のミニカゴを用意し、そこに班長が班員の数だけおやつを入れ配るという形にしました。班長自身も買い物気分で楽しんで取り組めた様で「お買い物?」と歌いながら配ったり、班員に「○と○のおやつがあるけど何がいい?」と聞いたり、アレルギーのある子には「○○は食べられる?」と尋ねたりする班長もいて班員に対する心配りが自然とうまれました。また配る時は「どうぞ」と言葉添えをする班長がでてきて自然と1,2年生からも「ありがとう」の声が聞かれるようになりました。
注)アレルギーのある子どもに関しては事前に専用のおやつを準備し、それを配ってもらうようにしました。

(班活動2)

 夏休みや一日保育の時は、その日の終わりに掃除時間を設定し決められた場所を班長が中心となり班での掃除に取り組みました。
 室内の雑巾がけ、本の整理、トイレ掃除、外のはき掃除、草抜き、ゴミ出しと場所を班別で分担し、掃除後は班で集まり"どうだったか"を話し合いました。「○○さんは頑張っていました。」「○○さんが手伝ってくれて嬉しかったです」など、お互いに出来た所、もう少しの所などの意見を出し合い、次の掃除の課題としました。掃除中は毎日の積み重ねで班長の指示も適格になってきました。

(班活動3)

 季節や行事の時の簡単な制作は、初めに班長に指導し作り方を覚えてもらい1,2年生に班長が先生役となる様に取り組みました。
制作中は指導員も「○○先生」と班長を呼び、やる気にさせる雰囲気づくりに努めました。1,2年生も解らないところは班長に尋ねたり、班長も班員が出来上がるまで一緒に頑張ってくれていました。

(班活動4)

 現在、子どもたちが楽しみにしている班活動は"帰りの会での班発表"です。班員全員の参加が原則で、発表するのも1?3年生ができるものとしています。例えばあやとり、手品、なぞなぞ等を発表し、みる側が「すごい」「おもしろい」「びっくりした」の3つで判定して発表した班にポイントが貯まるという形にしました。ポイントが貯まると鉛筆や消しゴムなどの賞品を渡し、子どもたちは達成感と評価されることにより自信に繋がっているようで毎日頑張っています。

5.班活動を振り返り

 様々な班活動を通して異年齢間の距離は縮まってきたと思います。日頃子どもたちは人の批判をしたり、悪いところだけを指摘したりが多いが、班活動が友達のすごいところ発見し、いいところ探しの場となっています。とくに3年生は班活動を通して相手の気持ちや思いを知り、聞く力、話し合う力、まとめていく力等、コミュニケーション力を高める場となっています。

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6、おわりに

 4月に比べると異年齢間の壁は低くなってきているようで、クラブの中でも1?3年が一緒にオセロやあやとり、ゲーム等をする姿を多く見られるようになりました。しかし、今でも3年生が威圧的な言動になりトラブルになる事もありますが、その都度班長全員で"班長会議"をし「リーダーとしてどのように行動したらいいのか」を話し合っています。
 相手を知り関心を持つことはコミュニケーションの第一歩だと思います。班活動を通して、楽しみながらお互い認め合い助け合うことの出来る集団づくりに努め、子どもたちの自己肯定感を高めていけるよう"ひとりひとりの気持ちに寄り添い"子ども達が安心して"ありのままの自分がだせる居場所"となるよう援助していきたと思います。

施設基本情報

施設名 郷田いきいきこどもクラブ
施設種別 放課後児童クラブ
運営形態 公設公営
運営団体名 東広島市 保育課
所在地 広島県東広島市西条町郷曽1133
創設年 平成12年
登録児童数 1年生-3年生 合計 56名
スタッフ数 通常 5名 体制

 広島県の中部の山間部に位置している学園都市東広島市。学童(いきいきこどもクラブ)は全市で35小学校区に44ヶ所。利用者は、1,502名(平成24年5月)郷田いきいきこどもクラブは全校346名の中規模校の校庭にあるプレハブ専用施設で開所。常勤2名、増員3名の指導員が協力し子どもが"ホッと出来る居場所"となるよう保護者や学校と連携をとり援助していきたい。

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