かめっこクラブ総合表現プログラム「篠原土を知ろう!」
滋賀県野洲市・篠原学童保育所
小規模校ゆえの持続した仲間関係
篠原学童保育所は、自然に囲まれ、近くの田んぼや小川では虫取りや魚つかみがごく当たり前に出来る幸せな環境です。隣接の篠原小学校は、各学年1クラスの小規模校。その内の4分の1の児童が学童保育所へ通ってきます。仲間関係が、学校から学童保育まで長時間持続し、変化に乏しいと言えます。そのため、弱い子は主張することを避けて諦めながら生活をし、強い子はそのポジションが当然のように思っているようです。また、個性を重視されて育った彼らには「集団保育」の成立は難しく、指導員の働きかけが、ともすれば強制的と取られかねません。しかし「自由保育」を実施するためには、指導員の数や意識やスキルの差があるのも課題です。限られた条件の中で、豊かな心を取り戻すためには『生と死を見つめる』『生きることの過酷さを知る』『想像力・創造力を養う』などのプログラムが必要でした。
一冊の書籍から地域に目が向いた
その頃、児童福祉文化賞を受賞した栗田宏一著『土のコレクション』を読み、「土のコレクションをつくろう」というページを実践して子どもたちの興味の方向を探ってみたくなりました。採取する場所によって実に様々な色を持つサラサラの美しい「土のコレクション」は一体どのようにして作られるのか。この不思議を解明しようと野洲市内の三ヶ所から土を採り、篠原小学校のグラウンドの隅の土山や園芸畑から土を少し頂きました。当時の校長先生とお話しているうちに、土山が実は「篠原土」という陶芸用の上質な土であることを知りました。
指導員のアイデアが詰まった「総合表現プログラム」
私たち指導員は子どもたちに勉強を教えるわけではありません。けれど、ただ遊びの相手だけをしていればよいと言うものでもありません。カテゴリーを限定しないためにも「総合表現プログラム」と題し、様々な活動に取り組んでみようと思いました。同時に、他の指導員たちにも、「自分たちが実現したいプログラムを積極的に提案して欲しい。」と呼びかけました。
◆「篠原土を知ろう!」の8つのメニュー
- 『土のコレクション』を読もう...6月13日
- 土で絵の具を作ろう...8月16日
- 絵手紙を描こう...8月17日
- 銅鐸博物館へ行こう...8月23、24日
- 陶芸を体験しよう...11月2、9日
- かめっこ文化祭...12月15、16日
- 篠原の歴史を知ろう(かめっこ探検隊)...3月8日
- 篠原土を採ろう(かめっこ探検隊)...3月28日
子どもたちの変化、そして今後の広がり
自然に触れる時、ものづくりに取り組む時の子どもたちの表情は真剣そのもの。普段イライラしがちな子ほど、造形活動への集中力は高いようです。造形を通し、自分自身を表現していくことで、ストレスは軽減され、人の気持ちを思いやることや、当番の仕事に力を発揮し、クラブ全体のことを考えるゆとりが子どもたちの中に生まれたようです。
作品は文化祭で展示し、多くの方が見学に訪れてくれ、子どもたちの更なる励みになりました。「石のカレンダー」は、アクリル絵の具を買う予算が無い学童保育所で、ごく普通の透明水彩絵の具を使っての工夫した作品作りで、もう一つの目玉展示となりました。
プログラムの最終章「篠原の歴史を知ろう」で、篠原学区の'かたりべ'の方から篠原小学校の歴史を教わり、氏の案内で泥山や地元の名勝を訪ねた「かめっこ探検隊」は、平成18年度には、エコロジー活動に取り組もうと、地域に出動し始めています。
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